相手がいるから絵本が読める、


というのは、おはなし会をするのに当たり前なはなしですよね、

読み手の側からすれば、聞きに来てくれる子ども達がいるから、
おはなし会というイベントが成立するわけで、
読み手が誰もいない場所で、絵本を読んでいるのは、
おはなし会ではなくて「読書」です。

なぜ、こんなことを書いているかというと、
先日、小学生から高校生までを対象にしたボランティア体験のイベントがあり、
その講師を務めさせていただきました。

プログラムは1日目は、おはなし会を開催するときの基本的なこと、
絵本の持ち方、読み方などなど・・・
2日目は、児童館で実際におはなし会を開催するという内容なのですが、
僕の所属するおはなし会の団体が、お仕事を受けて、
僕は、1日目の口座を担当する事になりました。

2日目に子ども達に読んでもらう本は、
他のボランティアの皆さんが図書館から借りてくるということだったので、
お任せしていたのですが、そこでちょっと残念なことがありました。

2日目におはなし会をする児童館は、未就学児の方が多く、
そのため選書もそういった傾向になるべきだったのですが、
意外としっかりした絵本を持ってきていたのです。

なかには、新美南吉さんの『でんでんむしのかなしみ』なんかもあって、
ちょっと「エー???」と思っていたら、
来ている子ども達に手に取ってほしい絵本も選ばれているとのことでした。

気持ちはわかるのですが、今回の目的はボランティア体験なのですから、
ここは、児童館に来る子ども達の年齢層を考えた選書するべきだったのです。

このようなズレは、おはなし会をやっていると、
時々起きるのですが、
おはなし会を続けていると
そもそもの目的が何だったのかを
うっかり忘れてしまって、
「子どものため」という言葉は、
全てが含まれている便利な言葉なのですが、、
「何のために」どのような活動をするのか、
というところが、うまく考えられなくなってしまう。

「子どものため」といっても色々なアプローチがあるし、目的も違ってきます。
そういう「違い」をきちんと認識して、活動をしたいものです。


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