東京子ども図書館の刊行物に
『よみきかせのきほん』という本があります。
読み聞かせに向いている絵本300冊近くを照会したブックリストと、
おはなし会の運営の仕方を書いた本です。
この本の中に以下のような記述があります。
会話の部分で声音を変えるなど、演じて読むことはありません。絵本全体の流れを捉えて読んでいくと、緩急が自然につき、それが子どもたちがお話しの世界に入る助けになります。
よみきかせのきほん
この文書に気をつけて欲しいのが、声色を変える必要は無いが、絵本全体の流れを捉えていれば、自然に物語に緩急がつくといっているのです。
ここで気をつけなければいけないのが、「緩急」という言葉の意味です。
読み手が絵本の全体像を把握し、子ども達に伝えようとすれば、
自ずと、読み方に緩急はつき、リズムが生まれてくるのです。
間違えてはいけないのは、
「過剰に抑揚をつけると、子どもの想像力を妨げてしまう場合がある」
というよく、おはなし会のボランティア講座などで、
言われるようなことは、書いてないのです。
絵本と読み手、子ども達の3者の間で絵本を共有できる空間が
きちんと出来てさえいれば、どんな読み方であれ、
子ども達は、きちんと物語を受け止め、
その物語を子ども達の中で育ててくれるのです。
絵本の読み方に一定のルールはあっても、「作法」はないと僕は思っています。
どんなに素晴らしい絵本でも「お作法」のうえに乗ってしまえば、
その物語は、生きた物語にはならないのです。
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