3月23日、日曜日、蓮田市図書館で「絵本専門士べっちゃんの絵本語り」と題して、
僕が絵本作家さんとの出会いの中で作家さんから教えて貰った
作家としての姿勢や子ども達への思いなどのエピソードを御紹介しながら、
子ども達に絵本を手渡す大人たちがどのように絵本を読み、
子ども達と絵本を楽しむのかについてお話しをさせていただきました。
先日、講座の修了後に受講した皆さんに書いて貰ったアンケート結果を頂戴いたしました。
概ね好評だったようでほっとしております。
特に僕のおはなし会を見たことのある方から、
自由にやるおはなし会をみていたので、今日はとてもまじめにしてくださったお話がとても参考になりました。
というコメントをいただき、
楽しくおはなし会をしているバックには、欠講色々考えているんだなと、
感じてもらえたことも嬉しかったりしました。
そして、お呼びいただいたお礼に講座の修了後に図書館のスタッフの皆さんに
「持ってきた絵本から何か一冊読みますよ」とお声がけしたところ、
リクエストされたのが『三びきのやぎのどんけろり』でした。
マック・バーネットとジョン・クラッセンによる
ノルウェーの昔話「De tre bukkene Bruse」の再話になりますが、
日本人にとっては、『三びきのやぎのがらがらどん』の
「リメイク」や「パクリ」、「二次創作」なんていう言われ方もしていますが、
そもそも両方ともノルウェーの昔話の再話なので、
『がらがらどん』は有名な絵本ですから、意識はしたでしょうが、
「パクリ」という評価は的外れだなと思うわけです。
この絵本を選んだ理由を伺うと、
図書館の研修会で評価があまり良くなかったから、聞いてみたかったとのこと、
聞いてみたら「面白かった」との感想をいただきました。
図書館での評価が悪いのはなんとなく感じていたんですよ、
描かれているトロルは汚いし、所々下品な描写もあるし、
子どもに本を手渡すときに大人は、「汚い」と「下品」を嫌う傾向がありますからね、
けどね、絵本を手渡す大人が自分が生理的に「嫌」なものを避けるのは良いのですが、
前述したように「パクリ」とか「二次創作」みたいな言い方で批判するのは、
やっぱり、大人として卑怯だと思うのです。
しっかり「下品だから嫌い」と発言すべきでしょう。
また、絵について「描写が雑」みたいなことを言う人もいますが、
そもそもマーシャ・ブラウンが描いた一番おおきながらがらどんの姿は、
おそらくアメリカに住んでいるオオツノヒツジかムフロンという羊をモデルにしていて、
ノルウェーには、巻き角のやぎはいないはずなので、正確さの議論は突き詰めていくと、
どっちもどっちだと思うのです。
僕は、好きな絵本があればそれを読めば良いし、
苦手な絵本があるなら読まなければ良いだけだと考えていますし、
このサイトで常々発信しています。
嫌いなもの=攻撃対象ではないと言うことを全ての大人が理解しないと、
こういう事象はなくならないのかなと少し残念に思っています。
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