本質を見失わないこと


図書館に勤務していた頃、
ある絵本について、とある図書館関係の「えらい」人から、
こんなつまらない絵本は、捨ててしまいなさい、
と言う趣旨の発言をされたことがあります。

その絵本は、子ども達にはとても人気のある絵本でしたが、
大人から見ると「下品」だというのが、
「捨ててしまいなさい」と言うのが、発言の趣旨でした。

その絵本は確かに「下品」だったかもしれませんが、
ストーリーには、見るものが在り、
子ども達に対して、自分の居場所を自分の力で見るけることの大切さを
訴える内容でした。
子どもに人気の絵本、「捨ててしまえ」という発言は、
聞かなかったことにして、その絵本は蔵書したままにしていました。

絵本が訴える本質を汲み取ろうとせず、
作品のモチーフだけで否定してしまうのは、
大人としていかがなものかと、疑問に思うところです。
時として、大人は、自分の尺度で作品を論じようとしますが、
そこに、子どもへの視線が含まれているのかというのが、
大切なことだと思うのです。
絵本の本来の役割は、子ども達を楽しませ、
子ども達が明日を楽しむための助けになることだと、
僕は考えていたのですが、


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