辰年なので、竜の絵本をいくつか


あけましておめでとうございます。
と言って良いのか、よく分からないような出来事が沢山起きて、
こんな新年の迎え方をするとは誰も思っていなかったのではないでしょうか。

とはいえ、年が変わり年賀状では、干支に関係する絵本を紹介しているので、
こちらでもちょっとご紹介、

まず、子どもの本で竜が登場する物語の代表といえば、
『エルマーのぼうけん』(福音館書店) 1963年7月
ルース・スタイルス・ガネット:作
ルース・クリスマン・ガネット:絵
渡辺茂男:訳
ではないでしょうか。

ファンタジーの世界では、モンスターの代表格みたいな扱いのドラゴンも
子どものほんのなかでは、気さくな隣人として描かれていることが多いようです。

そういえば、エルマーの中でも竜のボリスは、人間が竜を怖く描くことについて、
騎士を勇敢に見せるための作り話だと怒っていました。

日本の竜が登場する絵本の代表は、

『まゆとりゅう』(福音館書) 2008年2月
富安陽子:作 降矢なな:絵

ではないでしょうか?
日本の竜というのは、水に関する自然の姿を実体化した存在として描かれることが多く、
粋人様のように信仰の対象になっていることもしばしばです。

この絵本では、竜は春を告げる役割として描かれており、
特に、まゆとお母さんをその背中に乗せて、
空を駆け抜けることで、
一面の雪景色が初春の世界へと遂げる物語は印象的です。

最近の絵本の中でも竜の使い方が現代的で、
これはすごいなぁ、と感心したのは、

『ドラゴン、火をはくのはやめて!』(ポプラ社)2022年12月
上野与志:作 ヒョーゴノスケ:絵

人々の暮らしを豊かにするためにドラゴンに
「火をはいてくれ」と頼んだ王様、
国は温暖になり、繁栄していきますが、
その行き着く先は、温暖化による砂漠化でした。

そんな、国を元に戻そうと立ち上がる子猫のミューと
国に住む多くの子ども達でした。

ファンタジ見せつつ、地球温暖化問題について、
大人達に発信を続けるグレタ・トゥンベリさんがモチーフになっています。

子ども達にとっては、自らの思いをきちんと発信することの大切さ、
大人にとっては、子ども達にどのように
この世界のバトンを手渡していくかを考えさせられるような、
絵本になっています。

いろいろと考えることや、心配な出来事の多い、
新年のスタートになってしまいましたが、
今年も、絵本を通して、いろいろな人との出会いを楽しんでいきたいものです。


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