絵本の好みのはなし


僕は、このサイトで自分のおはなし会の宣伝や、
自分の読んだ絵本の紹介をしているのですが、
絵本講座などでも、最近の絵本を紹介することが多いのですが、
時々「子ども達に文章をきちんと読んで貰いたいので、この絵本はちょっと違う」とか、
「○○(とある作家さんの名前)の様な美しい日本語を子ども達に伝えたいのです。」
なんていう感想を頂くことがまれにあります。

そう言いたい気持ちもよく分かるのですが、
子ども達だって、いつまでも同じ子どもではないのです。
当たり前の話ですが、今日の1歳児は、来年には2歳児、
その間に子ども達を取り巻く社会は、変化し続けているし、
うっかりすると常識だって変わっています。

先日、Mrs.GREENAPPLEの『コロンブス』という楽曲のPVの表現が不適切との指摘を受け、
炎上した後に、アーティストが謝罪し、PVの公開を停止するという事がありました。
曰く、コロンブスの人物像が、以前は「開拓者」であったが、
近年は「征服者」として認識されているとこのとでした。

しかし、果たして、コロンブスの人物像が歴史認識が改められた事により、
変わっていたことをどのくらいの人が知っていたのでしょうか?

子ども達の世界だって同じです。
うっかりすると僕の子どもが小さかった15年前と、
今の子ども達は、全く違う価値観の中で日々の暮らしを送っています。
そんな子ども達の生活を知ることから、
今の子ども達と共有するべき価値観は何なのかと言うことが見えてくるはずです。

大人の価値観を強要する事無く、子ども達と絵本を介して共に成長していく、
今望まれているのは、そういう絵本の使い方なのではないでしょうか。


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