『ぐりとぐら』(福音館書店)1967年1月
中川李枝子:作 大村百合子:絵
この年になるまで「絵本と子どもが好きです」
と言い続けている原体験は、何だったのかなとちょっと考えていたら、
やっぱり『ぐりとぐら』なのかな、という結論に、
じゃあ、『ぐりとぐら』のどこが、
子どもの頃の自分に「刺さった」のだろうかと考えてみると、
タイトルに書いた『いやいやえん』と『そらいろのたね』
の三作品の関係性が、子ども心にワクワクしたな、
と思い出しました。
『そらいろのたね』の中には、
『ぐりとぐら』『いやいやえん』
それぞれの物語の世界が、
繋がっているのではないかと思わせる
描写があります。
『そらいろのたね』の中には、
『いやいやえん』のしげるくんや、おおかみがいたり、
ぐりとぐらがいたりするのです。
子どもの頃にこの3冊を読んだとき、
絵本の中にぐりとぐらやおおかみの姿を見つけたときに、
キャラクターが作品を横断しているということは、
物語の世界線のなかに、
僕たちの住む世界もあるのではないか、そう期待させるものがありました。
世界観を共有する作品というのは、漫画の中ではよくありますが、
絵本の世界では、あまりないですよね、
何かと『ぐりとぐら』だけが取り上げられるような気がしますが、
実は、作品群の中から気づくことというのもあるので、
そういうところで、
子ども達の「あっ!」という驚きや発見を大切にしてあげると、
きっと子ども達が物語に向き合う姿勢も変わるような気がします。
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