『君のクイズ』(朝日新聞出版)2022年10月
小川哲:作
『ゲームの王国』でこの作家の作品を初めて読んで
そこから、新刊が出ると、読むようにしています。
この作品は、クイズ番組を舞台に、
ある回答者が問題が読み上げられる前に
正解を答える「ゼロ文字正答」をしたことから、
対戦相手だった回答者の視点で語られる物語です。
「ゼロ文字正答」のトリックにたどり着くまでの
過程の中で、主人公におきる心情の変化、
対戦相手だった回答者と対峙するに至るまでの過程が、
殺人が起きるわけでも、誘拐がおきるわけでも無い、
日常生活の中で、クイズというキーワードだけで、
ドキドキさせられるのは、すごいの一言、
エンディングで二人が再び対峙して、
「ゼロ文字正答」に至った経緯を説明するシーンなどは、
正統派ミステリ小説、という感じです。
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