ディズニー批判について


昨日の「良い絵本」って何よ?
から、ちょっと思い出したことを書きたいと思います。

僕がまだ図書館で司書として働いていた頃(ということはもう10年前・・・)
図書館の児童担当者の中では、ディズニー批判は一般的なものでした。

批判の中心としては、ディズニーの良くない点は、昔話や児童文学を改編しているという点にありました。

例えば、三匹の子豚は、三匹全員無事だし、オオカミもやけど程度で済んでいる。

絵本のスタンダード福音館書店の『三びきのこぶた』では、
兄二人はオオカミに食べられちゃうし、
最後の弟は、煙突から落ちてきた、オオカミを鍋で煮て食べちゃったと思われる描写で物語は終わっています。

僕が図書館にいた頃は、
このような物語の改編は、原作を知らない人にとってよろしくないし、
原点である昔話は、教訓的な者であるから残酷な描写も受け入れるべきだ、
というような趣旨のことが言われていたと記憶しています。

僕は、この意見についてちょっと変だなと思っていました。

世の中の価値観って変わっていくものじゃないですか、普遍的なものはあるとはいえ、
それは、本質的な価値の問題であって、物語は変化していっても良いのではないかなと思っていたのです。

ここ1,2年コロナウイルス感染症の拡大の影響もあってか、
ものの見方や考え方は、大きく変わり始めています。

白雪姫やシンデレラもジェンダーの観点から批判的に語られています。
これは、ディズニーだからではなく、昔話の本質としてお姫様、王子様という性別で役割を割り振られていることへの嫌悪感から来るものですから、
もう、その時代の価値か案の相違でしかないわけです。

ディズニーだってまさか、自分の作品がこんな形で取り上げられるとは思っていなかったでしょう。

昔話であれディズニー映画であれ、成立した時代背景を背負って生まれてくるわけですから、
当たり前ですが、長い時間がたてばずれが生まれてくるものです。

そういうずれも含めて、どう受け入れるべきかを話し合う土壌がそろそろ必要なのだと思います。


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