バスザウルス


『バスザウルス』 (亜紀書房)2020年10月
五十嵐大介:作

日本には古くから、
付喪神という発想があります。
長い年月を経た道具に魂が宿り、
生命として動き出す。

ある日山にうち捨てられていた
古いバスが生命体のように動き出す。
そして、夜の街を徘徊する。

作者は、漫画家である五十嵐大介さん、
時折、絵本を発表されますが、

この絵本は、ファンタジー的作品の多い五十嵐大介さんらしい、
絵本だと思います。
深夜に徘徊するバス、そこに乗り込む老婆、
バスの中の猫たち、それぞれが時間の経過により変わっていく、
この世とあの世の隙間のような場所が描かれているのではないかと、
僕は感じています。

生命であれ、無生物であれ、最終的に向かうところは「死」であり、
「死」はただの事象でしかない、
「死」に物語を感じるのは、私たち人間に感情があるから、
そんな感じがします。


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