おはなし会と配信


絵本専門士のネットワークの中で、お仲間の絵本専門士さんが書かれた、読み聞かせ動画に関する記事が紹介されていました。

youtubeなどのサイトを見ていると、絵本を読み聞かせしている動画もよく見受けられるのですが、
「いや、これ大丈夫なの?」と疑問に思うものも数多くありますので、
そういった事象に対するレポートになっています。

あたりまえのことですが、絵本は著作物ですから、著作権というものがあります。
作った人が持っている権利ですね、
著作権の中には、公衆送信権というものがあります。
これは、沢山の人に受信されることを目的として著作物の送信を行う権利のことで、著作権者の権利です。

つまるところ、読み聞かせを動画等により配信しようとするには、
出版社と著作権者の許可が必要と言うことになります。

動画配信は、当たり前ですがデジタルなので、
削除したとしても、誰かがコピーを持っていれば、
ネット中で動画が残り続けます。

また、動画を見た人は、
「動画があるからいいや」
となると、その絵本を購入しないかもしれません。

このような状況がうまれることで、結果として著作権者の権利を阻害することになるわけです。

僕たち絵本専門士は、配信等を行う場合には、出版社等と協議をさせていただくことがありますが、
基本的には、録画送信はだめで、zoomなどの講習回答で1回限りならOKということが多いです。
また、使用料を求められるケースもあります。

僕の周囲でも、動画配信のリクエストをいただくことがありますが、
個人で、出版社との協議や使用料を支払っていくのには限界がありますので、
基本的には、絵本の読み聞かせの動画は配信していません。

たまに、動画の配信について
「良いことをしているのだから、法律が間違っている。」
というような趣旨の発言をする方が、いますが、
それは、あまりにも物の見方が一方的ですし、
偏っていると僕は考えています。

絵本の読み聞かせの配信については、
録画配信でなければ、許可してくださる出版社も多いですし、
無許可で配信して、結果として子ども達が絵本を手に取る機会が減っているのでは、
問題解決にはなっていないです。

「コロナだから」を言い訳にするのではなく、
出版社と著作者、読み手にとっての解決策を模索していこうという意思表示が
これからは必要になってくると考えています。


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