公共図書館の「基本図書」という概念があります。
一般的には、図書館の目的を実現するための最小限の資料群であったり、
多くの図書館に共通して所蔵されている資料を指す言葉ですが、
なんとなく児童サービスの分野では、公共図書館として、
児童のためにそろえておくべき資料群的な解釈になっている気がします。
では、基本図書リストみたいなものが確立しているのかというと、
これが中々、難しく、
国立国会図書館の文館である国際子ども図書館の基本図書リストや
東京子ども図書館の児童図書館基本蔵書目録などが、
一般的なのかなとは、思いますが、
地方自治体の公共図書館が、これらの資料を基に蔵書構成を行っているとは、
あまり考えられないので、おそらくは、
なんとなくどこの図書館にも蔵書されている児童書=基本図書的な感覚になっているのでは無いでしょうか?
もちろん、児童サービスに携わっている司書の皆さんにとっては、
このような説明は「乱暴だ」と思われるかもしれません。
しかしながら、多くの図書館利用者は、
そのコレクションに「基本図書」という概念があることを知らないのではないでしょうか?
当たり前の話になりますが、市町村にはどの街にも特色があり、
抱える課題もまた千差万別です。
ですから、必ずしも基本図書という概念にとらわれる必要は無い気がするのです。
地域の抱える課題というのは、少なからず、その地域に暮らす子ども達にも影響するのですから、
その地域の子ども達のニーズに合致した、蔵書群を構築することもまた、
児童サービスの分野において必要なものではないでしょうか。
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