子ども達に向けて、重いテーマを絵本で伝えようとするには無理がある。
という意見があります。
曰く、社会的課題の解決は大人の仕事であり、
解決していない、物事を経験値の少ない子ども達に伝えるのは順序が違うと、
では、子ども達はいつ、社会的課題について学び成長していけば良いのでしょうか?
そもそも、社会的課題の解決は大人の仕事とはいうものの、
その課題が、解決できないままなのも大人の責任だったりするし、
子どもだって、いずれ大人になります。
子ども達が、社会的課題を学び、その解決方法を考えるには、
どの時期が適しているというのでしょうか。
そもそも、社会的課題の解決は大人の責任であるという理屈は理解できますが、
それを子ども達が学ぶ必要はないという視点が、そもそも間違っていると
僕には思えるのです。
大人が、子ども達を自分の都合の良い「子ども像」のなかに止めようとする行動は、
まま見られる話ですが、重いテーマを絵本で子ども達に伝える必要はないという意見は、
まさに、そういう行為の単著であると言えます。
ましてや、ウクライナでの戦争や人権問題など、
すでに、子ども達にとっても他人事ではない事象が起きているにも関わらず、
「大人になるまで見せないで」というメッセージは、
当事者意識を欠如させ、考える力を奪う行為になりかねません。
事実、多くの作家は、このような状況に危機感を抱いて、
さまざまな作品を出版し続けている
にも関わらず、最後の届け手であるはずの大人が、
社会に目を向けず殻に閉じこもっては、
課題の解決など、夢のまた夢になってしまうのです。
まず、現実を見つめましょう、そして子ども達と一緒に歩み、
必要な時には子ども達の盾になり守ってやる、
そういう大人達であってほしいと切に願うものです。
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