うごきません


『うごきません』(パイインターナショナル)2020年10月
大塚健太:作 柴田ケイコ:絵


ハシビロコウという鳥が、
人気になったのは、何時ごろからなのでしょうか。

ちょっと、調べてみたところ、
2019年頃のネットの記事を発見しました。

1981年に伊豆シャボテン公園で、飼育が始まったのを皮切りに
2002年くらいまでにあちこちの動物園で、飼育が開始されたようです。

それまで、動物園といえば、動物を動いている姿を見ることができることが人気で

旭山動物園のように、行動展示なんていう方法が考えられるようになったところに、
ハシビロコウという、行動展示という概念を飛び越えて、動かない鳥の登場が、
逆に人気になったようです。

そんなハシビロコウの動かない様を逆手にとって絵本化したのがこの『うごきません。』なのですが、
周りの動物にありえないような変化が起きても、落ち着いて、動かないという・・・
子ども達からみたら、動物達のありえない変化が笑えるし、
全く動かない、ハシビロコウの姿にも笑えるという、
1ページで2度おいしい絵本となっています。

それでも、終盤に向けて、動かないハシビロコウの姿に、
その内面では、驚きや不安を抱えていることが伺える描写は、
子ども達に、個性というものは皆違って当たり前、
その個性にそれぞれが寄り添い、理解することが大切と訴えているように感じます。


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