お月さんのシャーベット


洋の東西を問わず、月を題材にした物語は多く、
日本では、古くは、竹取物語、
お月様にウサギが住む理由は、仏教説話だったりと、

絵本に目を向ければ、『ぱぱ、お月さまとって!』や『おつきさまこんばんは』のように、
人が日々暮らしていく中で、夜空に浮かび、優しい光を放つ月は、
何か物語を想起させるような存在だったのでしょう。

本日ご紹介する、『お月さんのシャーベット』も
そんな月をテーマにした物語です。

暑い夏の日、エアコンや扇風機が全開で稼働する集合住宅、
ふと空を見上げると月が溶けて、しずくが空から落ちてきている、
慌てておばあさんは、そのしずくをたらいで受けると、
どうしていいか考えた末に、小さな器に名が知れて冷凍庫の中へ・・・
タイトルにある「お月さんのシャーベット」が完成します。

そこに、集合住宅の停電、さらには月が溶けてしまったため、
すむところを失ったウサギの訪問など、
月を空に返すためにどうしたらいいのか、

ペーパークラフトによる登場人物とミニチュアセットによる撮影で構成された画面は、
これまでの絵本には、ない雰囲気があり、大人が一人で楽しむのにも良い絵本ではないかと考えます。

また、長谷川義史さんの翻訳は、作品にリズム感を与え、
子ども達に読むときに、読み手も心地よい作品に仕上がっています。


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