『希望の牧場』 (岩崎書店)2014年9月
森絵都:作 吉田 尚令:絵
東日本大震災、
それに伴う福島第一原子力発電所の事故から
11年が経とうとしています。
事故による帰還困難区域を最も多く抱えるのが、
福島県浪江町です。
この春には、帰還困難区域へ帰還が始まり、
現在は、帰還準備が始まっているとのことです。
原発事故の当初、人々は避難することができましたが、
動物たちの多くは、取り残されました。
そんな中で、取り残された牛たちを飼育しつづけたのが、
今回ご紹介する『希望の牧場』の舞台となった、
「希望の牧場・ふくしま」です。
原発事故後、本来であれば殺処分されるはずだった
牛たちを飼育し続ける姿には、
原発の是非という問題だけではなく、
経済動物の生死は人の都合によって、
いかようにでもなるという、事実を突きつけてきます。
何が「正しい」のか、は人それぞれによって、異なります。
絵本が伝えているのは、事実でしかありません。
その事実を僕たち大人は、何を受け止めて、
子ども達に伝えるのか、難しい課題は続いていきます。
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