50年経てば、いろんなものが変わる、

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僕は、今年でちょうど50になるのですが、
世の中を見渡してみて、50年経って変わったものと変わっていないものを探してみると、
当たり前ですが、変わったものの方が圧倒的に多い、

僕がこうやって、活動しているwebスペースなんて無かったし、
テレビだってアナログ放送からデジタル放送、そして配信へと、変わってきました。

そんな中で、子ども達の置かれている状況も大きく変わりました。
僕らの子どもの頃には『テレビに子守りをさせないで』なんていう本が流行り、
テレビの見過ぎが子どもの自閉症になるなんていう説が、
大真面目に取り沙汰されていました。
発達障害という言葉も定義もなかった時代、
自閉症は後天的な原因によるものだと考えられていました。

今は、子ども達にスマホを与えることの是非について、
同じような議論がなされています。
ただし、ちょっと違うのは、幼いときから電子機器に触れることによる、
視力の低下の問題と子育てには、親子の愛情形成が必須だから、
きちんと子どもと向き合いましょうね、といっているだけで、
当時のように自閉症になるとかメディアから徹底的に排除しろといった、
表現はされていません。

このように、社会が大きく変わっているわけですから、
図書館などでのおはなし会のありかたが、
あらためて、検証、見直しされても良いのではないかと
僕は考えています。
一部の大人の言う「絵本の普遍性」というのは、
おはなし会をやりたい大人の都合の良い幻想なのではないでしょうか。

かつてモーリス・センダックは、

子どもがどんな現実の中で生きているかを考えると、ある種の子どもの本の、真実の半分しかみようとしない姿勢は、全く恥ずべき物であると言わざるを得ません。

センダックの絵本論

と、大人達の絵本と子どもへの視点に対して、批判しています。
結局、大人は自分の都合の良い「子ども像」を現実の子どもに投影しているだけであって、
子ども達の真実から目を背けようとしている、
この姿勢だけは、50年経ってもあまり変わっていないというのは、
ちょっと悲しいことなのかもしれません。


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