『踏切の幽霊』(文藝春秋)2022年12月
高野和明:著
別に、子どもの本しか読まないわけじゃ無いんです。
大人の本も読んでいるのですが、
あまりレビューを書いたりしていなかったので、
今年は、大人の本も書いていこうかなと思った次第です。
妻の死をきっかけに、
報道への情熱を失った記者が、
女性誌の心霊ネタの取材から、
下北沢の踏切に現れる幽霊の正体と、
その死の原因にたどり着いていくという、
ミステリのような、ホラー小説のような、
なんとも分類し難い作品です。
読み進めていくと、作者の意図はミステリでも、
ホラーでも無く、社会的弱者が存在し続けるという事実と、
弱者の犠牲のうえに、強者の立場は成り立っているという事への
憤りと、それでも弱者の側に寄り添うことが必要だという
メッセージを感じます。
購入当初は、ちょっとしたSF的な展開を期待したのですが、
見事に裏切られたうえに、ドハマりしてしまいました。
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