「あたらしいかぞく」新あらしのよるにシリーズ2

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新あらしのよるにシリーズがはじまり、年末頃には2冊目が出版というお話を着ていたのですが、
先日、要約購入しました。
新刊『あたらしいかぞく』は、特に“命をつなぐ”というテーマが静かに浮かび上がる一冊です。
ガブとメイは、これまでの冒険の勢いよりも、
年齢を重ねたからこその落ち着きや深さをまとい、
物語全体にゆったりとした時間が流れています。

そこに登場するリスの子ども・ポイは、未来の象徴です。
小さな体で世界に向かっていくポイと、
保護者として、ポイに寄り添うガブとメイ。
その対比が、読者に“命のバトン”を自然と意識させます。

特に心に残るのは、捕食者であるガブが、被食者であるポイに「捕まらないための技」を教える場面です。
ガブは本来、肉を食べて生きる動物です。
その現実を隠さずに描きながらも、ポイが明るく生きていけるように、
どこか無理をしてでも寄り添おうとするガブの姿がにじみます。
その“無理”は、重さではなく、次の世代に少しでも良い未来を手渡したいという願いのように見えます。
まるで、親が子どもに「生きる知恵」をそっと渡すときのような、静かな覚悟が感じられます。

いま、家族のかたちは多様になっています。
血のつながりだけではなく、立場や年齢、種さえも超えて、
共に生きようとする関係が“家族”と呼ばれることがある。
ガブとメイ、そしてポイの関係は、そんな現代の家族観をやさしく、
しかし確かな手触りで示してくれます。

『あたらしいかぞく』は、子どもに読み聞かせるだけでなく、
大人が自分自身の生き方や家族との向き合い方を見つめ直すきっかけにもなる絵本です。
老い、継承、共生。
どれも避けて通れないテーマですが、この絵本はそれらを押しつけることなく、そっと手渡してくれます。


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