絵本に関する活動をしていると度々考えさせられるのが、このテーマだったりします。
「絵本は誰のためにあるのか?」
そりゃ、読者のためでしょう。
となるわけですが、その読者というのは誰なのか?
ここが悩ましいところなのです。
僕たちが子どもの頃は、絵本=子どものもの、というイメージが定着していましたが、
ここ20年くらいの間に、絵本という表現方法は、
子どものためのものではなく、大人に向けて描かれたものも随分と増えてきました。
そのせいでしょうか、「絵本が好き」という大人の数も随分と増えてきた様に感じますし、
出版不況といわれている中にあって、児童書・絵本のジャンルについては、
緩やかではありますが、右肩上がりの状況が続いています。
うっかりすると「絵本が好き」な人の中には、
その絵本が誰に向けて発信されているのかを考えずに
子どもに向けて発信してしまう人がいたりするのです。
おはなし会の席上で、こんなことがおきると、
子ども達は「ちょっと何言ってるか、分からない」となるのですが、
お父さん、お母さんは、いたく感動してしまい、
お父さん、お母さんにとっては、
このおはなし会は、良いおはなし会だとなるわけです。
けれども、おはなし会のそもそもの目的は、
子ども達に絵本に親しんで貰い、
自ら、絵本を手に取って貰う時間を作って貰うことが目的なのですから、
このおはなし会は、あまりよろしくなかったのではないか?
そう思えるのです。
絵本の伝え手となる大人の皆さんには、
是非、それぞれの絵本の役割を読み解いて、
絵本を手渡して欲しいのです。
その絵本は、誰のためにあるのか?
その絵本をその時間に読むことに、どのような意味があるのか?
考える時間を作ることも、僕たちには、必要なのです。
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