『ふしぎなナイフ』(福音館書店)1997年2月
中村牧江・林健造:作 福田隆義:絵
表紙にあるのは、どこにでもあるような、
洋食用のナイフ、
ナイフですから当然、
素材は金属だし、堅いはず、
その堅いナイフが、
曲がったり、折れたり、溶けたりしたら、
どうしますか?
そんなことは、あり得ない、そうその通り、あり得ないことなのです。
けれども、絵本の世界なら、そんな、あり得ないことをやってみせることが出来てしまう、
これが絵本の力、想像の力なのです。
単純なテキストと、リアルに描かれたナイフのあり得ない姿、
この二つの取り合わせが絶妙にマッチしています。
子ども達から言葉を引き出すには「驚き」が大切だと思っているので、
この絵本には驚きが詰まっているといえるでしょう。
絵本の世界だからこそ、あり得ないことを目にすることが出来る。
そういった体験を重ねていくことで、子ども達に想像力や言葉の種がめばえ、
成長していく、絵本にはそういう力があるのだと信じています。
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