先日、とある公共図書館の絵本リストを手にする機会がありまして、
ちょっと気になったので調べてみました。
そのリストは、親子のふれあいに絵本を活用しましょうということで、
いろいろなテーマに合わせて、100冊の絵本を紹介しています。
で、このリストで、ちょっと気になったのは、
絵本の出版年の偏りです。
1950年代 1冊、
1960年代 33冊、
1970年代 18冊、
1980年代 16冊、
1990年代 18冊、
2000年代 13冊、
2010年代 1冊、
![](https://ehon-sp.com/wp-content/uploads/2023/02/51lDZvP9UzL._SX218_BO1204203200_QL40_ML2_.jpg)
と言う分布でした。
圧倒的に1960年代が多いのです。
ちなみに2000年代の1冊は、
福音館書店の『いちじくにんじん』で
わらべ唄を絵本にしたもので、
新しい絵本とは言いながらも
昔のものを改めて絵に起こした、
絵本だったりしました。
公共図書館の目的は、市民の知る自由を保障し、その権利を守ることだったはずなのに、
児童サービスの分野に関しては、なぜか、図書館が「良い絵本」を知らせることで、
市民の皆さんが、他の絵本に触れる機会を制限しているように僕には思えるのです。
もちろん、古い絵本にも良い絵本はありますし、
新しい絵本だってそうです。
しかしながら、この絵本リストは、
図書館の言うところの「良い絵本」の原則に忠実であるが故に、
偏りを感じざるをえません。
このリストを公表するのであれば、
選書基準も添えるべきではないでしょうか?
子ども達にとって「良い絵本」「そうではない絵本」
それを選ぶのは読者であって、図書館ではないはず、
知らせるのは良いことなのかもしれませんが、
偏りがあるのはやはりよろしくないのでは、
そう思わずにはいられません。
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