絵本を読む、子ども達に伝える、大人の皆さんと絵本の価値について考える。
そういう活動を続けていると、必ず出会うのが、
絵本を特別視する大人です。
絵本の力は、他のメディアとは異なると信じている人が一定数いるのは理解できるのですが、
ではなぜ、そんなに素晴らしい、絵本というメディアが、他のメディアと比較して小規模になっているのかを
きちんと説明してくれる人には出会ったことがありません。
僕個人としては、絵本だって、Web、TV、ゲームなどの他のメディアと変りは無く、
子ども達は、多くの選択肢の中から、自ら気に入ったものを選ぶべきだし、
そのための材料を提示する事が大人の役割だと思っています。
僕も反省しなければいけないのですが、
絵本を手渡そうとするときに「手渡したい」という気持ちが高ぶりすぎて、
結果として、変なバイアスをかけてしまうという事象が起こるケースがあります。
これは、良い方向に進めば良いのですが、
絵本もメディアのひとつですから、大人のそういった感情に基づく情報提供によって、
子ども達を如何様にでも、自分の意見に近い方向に導くことが出来てしまいます。
結果として、絵本が幼児教育のためのツールになってしまったり、
時にはスピリチュアルなものと結びついてしまったりと、
絵本本来の価値観からかけ離れてしまう、場合があります。
このような状態は、極論を言えば、
大人の都合の良い方向に子ども達を教育することも出来てしまうので、
そういうことがおきないように、絵本を手渡す人との距離感みたいなものについても
考えていかなければいけない、近頃そう思っているのです。
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