あるひくじらがやってきた


『あるひくじらがやってきた』(小学館)2022年6月
ニック・ブランド:作 なかがわちひろ:訳

タイトルと表紙のとおり、
ある日突然、鯨たちが海から上陸、
人間の世界で一緒に生活を始めます。

鯨たちのサイズ感で、人の世界で暮らし始めると、
ゴミや、食糧問題など、
様々な課題に人間達は直面し、
やがて社会は鯨排斥運動へと傾いていきます。

しかし、鯨たちにも海に帰れない訳があって・・・

というような内容なのですが、

私たちが異文化と交流し、共生することの難しさを鯨に例えているだけではなく、
鯨が上陸する理由が人間の側にあったりと、

私たち人間の文化が今直面している様々な課題を
同じ人間同士だと、今ひとつ何が課題なのか理解しにくい部分について、
鯨という私たち人間とは、全く異なる生き物を登場させることで、
わかりやすく伝えています。

本当は、鯨の力に頼らなくても人間同士、
シンプルにわかり合えれば良いのですが、
そううまくいかないのが人の世だったりするので、
子ども達には、こういった絵本を紹介することで、
自分事として、考える時間を持ってもらえるとうれしいです。


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