『2ひきのカエル-そのぼうきれ、どうすんだ?』(徳間書店)2022年5月
クリス・ウォーメル:作・絵 はたこうしろう:訳
タイトルから、うっかり新美南吉の童話を想像する方も多いのではないでしょうか?
けれども、サブタイトルからもわかるように全く異なる作品です。
大きな池にいる二匹の蛙が、
一本の棒きれを基点にして、
会話を進めていく、会話劇のような作品です。
一匹のカエルは、自らが餌になってしまうかもしない、危険性についておびえ、
もう一匹のカエルは、おびえるカエルに対して、
周囲の状況を見て、過度におびえる必要がないことを訴えつつ、
いざというときは、棒きれが武器になることを説いていきます。
しかし、池には様々な動物がいて二匹のカエルは思わぬところから窮地にたたされる・・・
といった展開なのですが、
とにかく、カエルの絵が素晴らしい、
しっかりカエルでありながら、擬人化されており、
会話劇として読めるのも、カエルたちがどこかで、人間のように見えてしまうからでしょう。
また、カエルたちの会話もテンポが良く、
二人で役割分担して読んでみても、面白いと感じます。
物語の最初から、最後までテンポが良く、更に中盤以降の展開は、
あっと驚くことの連続だったりして、
集中して聞いている子ども達には、ドキドキの連続かもしれません。
個人的には、カエルたちの生活が様々な危険と隣り合わせで、
日々大変なんだなぁ、とちょっと同情せずにはいられませんでした。
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