『父さんはどうしてヒトラーに投票したの』(解放出版社)2019年7月
作:ディディエ・デニンクス 絵:PEF 訳:湯川順夫・戦争ホーキの会
私たち一人一人は、生活の中で戦争や争いを望んでいるわけではない。
そんなことは、誰しも分かっていることでしょう。
が、なぜか戦争は、起こってしまう。
本作は、第二次世界大戦においてナチ党を率いた
アドルフ・ヒトラーがなぜ台頭したのか、その事実が、淡々と描かれています。
当時のドイツの社会状況の中で、多くの大人たちが、ナチ党を選択することが正しいと思い行動していた訳で、
その原因がどこにあったのか、その選択の結果ドイツが進んでいった道を事実のみで語っています。
個々の意見がきちんと発信できることが大切だと言われている昨今ですが、
しかし、個々の主張が強烈すぎると、対立や分断を生むこともまた事実です。
世界全体や社会の仕組みを語るには、
僕たちは、あまりにもものを知らなさすぎる、
「知ったふう」に語ることが最も危険なのだと言うことがよく分かる一冊です。
子ども達には、現状を考えるためのきっかけとして、良い絵本なのではないでしょうか。
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