『焼けあとのちかい』(大月書店)2019年7月
半藤一利:文 塚本やすし:絵
自らを「歴史探偵」と位置づけ、
昭和史に関する多くの著作を持つ半藤一利さんが亡くなったのは、2021年1月のことでした。
太平洋戦争で東京大空襲を経験し、
多くの人の死に触れた半藤さんが、
反戦と護憲を訴えていたことについては、
当たり前のことだと感じています。
そんな、半藤さんの東京大空襲での体験を絵本化した作品が、
「焼けあとのちかい」です。
この本では、東京大空襲を中心に、徐々に戦争に向かっていく日本の姿が描かれており、
半藤一利さんが見てきた太平洋戦争そのものが描かれているのだと感じさせます。
『戦争だけは絶対にはじめてはいけない』
この絵本に描かれている半藤さんの言葉は、戦争を経験した者だからこその重さがあります。
その一方で、戦争を誰かの責任にするのではなく、
社会という大きなうねりの中で、戦争に賛成した人も反対した人もいて、
結果として戦争を止められなかったことは事実であり、
その責任は大小の差はあったとしても、
一人一人が戦争の被害者であり、加害者でもあり得る、
ということに考えさせられます。
もうすぐ、8月15日、77年目の終戦記念日を迎えます。
争いをなくすためには、何が必要なのか、
私たちは、子ども達と一緒に今一度考えるべきなのではないでしょうか。
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