僕は、書店や図書館などでおはなし会をしたりするのですが、
まぁ、おはなし会なんて言うのは、
図書館であれば当たり前にやっていることだし、
他のボランティアの皆さんがやっていることと、
僕のやっていることに果たしてどんな違いがあるのだろう、と、
思われる人も多いかと思います。
僕自身、たくさんの人のおはなし会の様子を見て、聞いて、
思うところがあって、こういう活動をしているので、
僕が絵本を読むときには、気をつけていることがあります。
それは、絵本の周囲にある物事に触れると言うことです。
例えば、
『いないいないばあ』を読むときには、
読み終わったあとに、お父さん、お母さんが、
子ども達と一緒に絵本を読んでいる様子についてふれ、
親御さんが子ども達と一緒に楽しむことが、
子どもにとっても「楽しい」という体験になっている
というお話をしたりします。
この話をすると、ボランティアの皆さんからは、
「そんなことは当たり前だ」という声が上がることがあります。
そうです、これは絵本を読んでいれば当たり前のことですから、
ボランティアの皆さんにとっては「何を今更言ってるんだこいつは」と、なるわけです。
けれども、初めての子育てに日々奮闘しているお父さん、お母さんにとっては、
毎日手探りの育児の中で「それが良いんだよ」と肯定的な言葉をかけられることは、
とても大きな意味を持っているのです。
「当たり前」と思っていることだって、
他の誰かは声に出していって欲しいと思っている。
そういう、想像力を持つことが、おはなし会の読み手に求められている、
そう思うのです。
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