改めて、「読み聞かせ」という言葉について


僕は、このサイトの中で極力「読み聞かせ」という言葉を使用しないように気をつけています。
僕が図書館で仕事をしていたころ、研修会などでは、
子ども達に絵本を読むという行為は、「読み聞かせ」と称されていて、
それは、当たり前のことだと思っていました。

けれども、この「読み聞かせ」という言葉について
「読み」「聞かせる」という行為を意味していて、
「聞かせる」という言葉は、大人の側の一方的な表現ではないか?
という意見が一部にはあったりします。

確かに、一部のおはなし会では、
子どもに「聞かせる」事を主眼にしている大人の方もいるし、
子ども達と一緒に楽しんでいるという雰囲気に見えないのも事実です。
中には「読み語り」「読みあい」なんていう表現もあったり、
「読あそび(よあそび・よみあそび)」なんていう言い方をする人もいます。

僕個人的には、この辺の表現と僕自身がやりたいこと、
やっていきたいことのないようにギャップがあるので、
極力それらの表現も使用しないようにしていたりします。

先日、講座の資料にするために、
『ぐりとぐら』でおなじみの中川利枝子さんの
『こどもはみんな問題児。』をよみかえしていたら、
中川さんも同じように「読み聞かせ」という言葉に違和感を感じていて、
「子どもと一緒に読む」と表現されていました。

僕が、目指しているのは、一冊の絵本をとおして、
読み手と聞き手が共感し、笑い合えるような時間であって、
そこには「読んでやっている」とか「聞いてやっている」という意識がなくても、
なんとなく居心地の良い時間が流れているのが理想だなと思っています。

なので今のところ、僕がやっていることは「絵本を読む」という表現に落ち着いているし、
そのイベントの名称は「おはなし会」というところに落ち着くのかなと、
そう考えています。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


PAGE TOP