絵本が増えて、大変だ。
本棚は満杯だし、床にも積み上がり、
絵本を買って帰れば、家族には「また買ったの?」と呆れられる。
とはいえ、絵本が増えるのは、ただの収集癖ではない。
絵本を通して、多くの人と繋がってきたからこそ、
新しい絵本にもその可能性があるのではないか、
そう期待してしまうのです。
季節が巡るたびに、おはなし会や講演のための準備が始まる。
クリスマスには、雪や星や贈り物の絵本を探し、読み聞かせの場に備える、
イベントが終われば、絵本は静かに書庫へと戻っていく、
それは「終わり」ではなく、「次の出番までの休息」だと思っている。
にもかかわらず、持っている絵本の存在を忘れてしまい、
うっかり同じ絵本を買い直し砂って言うことはよくある話で、
ちょっと後悔したりもします。
そんなときは、誰かに、「この絵本、きっとあなたのところでも輝くと思うよ」と、プレゼントとしてみたりして、
「無駄じゃない、無駄じゃない、」と、自分に言い聞かせる。
そもそも、絵本との出会いは、いつも一期一会。
ふと手に取った一冊が、心に深く残ることがあし、気づけば絶版なんて言うことも当たり前になってきた。
出版の流れ、時代の変化。仕方のないことなのかもしれない。
だから私は、絵本は借りるより買う派なのです。
買ったこと、読んだこと、そのときの子どもたちの反応等・・・
すべてが、その絵本の中に染み込んでいる。
絵本は、ただの紙の束ではなく、記憶の器なのだ。
絵本が増えて大変、それは僕がえほんと一緒に歩んできた証であり、
多くの人と出会ってきた、僕を形作る気持ちの形なのかもしれない。

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