『ぴかくんめをまわす』(福音館書店)1966年12月
作:松居直 絵:長新太
初版が1966年ですから、もう50年以上も前の絵本です。
信号機のぴかくんが、街に車と人があふれたことで、
忙しくなりすぎて、目を回してしまい、
交通が大混乱するという、ストーリー
高度経済成長に伴って街に自動車が増えてきたことが、
こういうストーリーを生んだのかな、と思うのですが、
この絵本の中に出てくる人たちが、働くことに前向きなのが、
当時の雰囲気をよく表しているのかなと思ったりします。
長新太さんの最初期に近い作品なので、
『キャベツくん』などと比べると絵のタッチが全く異なるのも興味深いです。
個人的には、後年出板された、
『しんごうきピコリ』(あかね書房)2017年4月
作・絵:ザ・ギャビンカンパニー
は、この絵本のオマージュなのかな、
と思ったりしています。
ぴかくんめをまわすでは、信号機が社会に振り回されていましたが、
ピコリでは、信号機が悪乗りをして社会を振り回すという、
逆の構成になっているのも、ちょっと面白いです。
どちらの作品も、作家の世界観が前面に出ていて、比較して読んでも楽しめると思います。
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