ビアトリクス・ポターの物語


『ビアトリクス・ポターの物語~キノコの研究からピーターラビットの世界へ』(岩崎書店)2021年7月
リンゼイ・H・メトカーフ:作 ジュンイ・ウー:絵
長友恵子:訳

ピーターラビットの生みの親であるベアトリクス・ポター、
作品は世界中で多くの人に親しまれています。
作品は、元家庭教師をしていた子どもに描いて送った手紙が元になっており、
彼女が湖水地方の自然保護に尽力し、ナショナル・トラスト活動に尽力したことは、多くの人の知るところです。

実は、ポターにはキノコの研究者としての一面があったことはあまり知られていません。
しかも、当時難しかった、胞子の培養に成功し、学会に論文を提出したこと、
そして、その論文は採用されることはなく、彼女の業績は認められることはありませんでした。
業績が認められなかった原因は「性差別」でした。
ポターの死から54年経過した1997年になって、
学会では性差別があったことを公式に認め、謝罪しています。

この絵本は、キノコの研究者としてのポターの姿を描いており、
絵本作家として名をなす以前のポターの活動を知ることのできる
一冊となっています。

絵本作家、自然保護の活動家として、活躍したポターのバックには、
性差別という大きな困難があったことを知り、
今、私たちがどのような行動を取っていくのか、
考えるきっかけになる一冊です。


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