なみのいちにち


『なみのいちにち』(ほるぷ出板)2022年6月
阿部 結:作

広い海の中「波」を主人公にして、
一人称で展開する絵本です。

波の描写が、擬人化されていながらも
自然に見えるところに驚かされます。

波が過ごす一日は、様々な人、物、コトとの出会いに満ちており、
波を中心にして様々な人の生活が繋がっていて、
その事実は、これまでずっと続いて来たことなのだと、
私たちに考える時間を与えてくれています。

本の帯には、『気仙沼で海と育った注目の作家・阿部結が描くなみの絵本』とあり、
描写の一部には、多くの人に牙をむいた波の姿を想像させるようなシーンもありますが、
全ての生命の母といえる波(海)の姿を終始優しいモノとして描いていることに
あぁ、私たちもいずれは、波の中へと帰って行くのだなと、
考えさせられた、一冊でした。


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