『ぼく』(岩崎書店)2022年1月
谷川俊太郎:作 合田里美:絵
『ぼくはしんだ じぶんでしんだ ひとりでしんだ』
というショッキングな言葉で始まる谷川俊太郎さんが
「自死」をテーマに紡いだ詩を絵本化した本作、
一人称で、自らの死を淡々と語りつつも、
親への悔恨や、こうありたかったという欲も語られているモノの、
その言葉のトーンが静かなのは「ぼく」が自死を選択したあとのコトだからでしょう、
本の帯には、谷川さんの言葉で、
『死を重々しく考えたくない、かと言って軽々しく考えたくもない、というのが私の立場です。』
と、書かれており、人に死がもたらすモノについており、
この絵本からは、帯の言葉どおり「自死」を肯定的にも、否定的にも感じることのできる、
読み手に投げられた、死をどのように捉えるかという問いのかたちで終わっているように感じさせます。
大人は、この絵本を読み「ぼく」がなぜ自死を選択したのか、その選択を止める手立てはなかったのかを考え、
子どもは、同世代の自死という行為をどのように捉え、自らの生の中に取り込んでいくのか、
この世界には、自らの命を絶つという選択をする人が、少なからず存在していて、
そのような選択を選ばざるをえなかった原因はどこにあるのか、
それぞれが、この絵本を通して、考え、話し合う時間を持つべきなのでしょう、
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