『その本は』(ポプラ社)2022年7月
又吉直樹:著 ヨシタケシンスケ:著
『りんごかもしれない』など、子どもも大人もちょっとクスッとする
話題を提供するような作品を得意とするヨシタケシンスケさんと、
芸人でもあり芥川賞作家(逆か?)でもある又吉直樹さんの共著
本の好きな王様が、年老いて本を読むことができなくなったことから、
二人の男に
「世界中を回って王様の知らない珍しい本を探し出し、
その本についての話を聞かせてくれ、」
と、依頼した結果、多くの本に関するエピソードを持ち帰った二人が、
王様に話をするかたちでストーリーが始まっていきます。
基本は、超短編の連作となっており、
又吉さん、ヨシタケさんどちらも「その本は、」という出だしで始まり、
私たちが、まだ知らない本の話を語ってくれます。
二人が探し出した「珍しい本」は本の中身が珍しいのではなく、
本自体が不思議な力を持っていたり、その本が現在に至るまでに様々な来歴を持っていたり、
と、「本とは何なのか」というコトを改めて考えさせられるような構成になっています。
新しい本を手に取ったときのわくわく感や、
おはなし会で子ども達と絵本を楽しむ時の感情、
そういったものを全部ひっくるめて本を楽しむ時間な訳ですから、
「本」というものは、ストーリーだけが本の構成要素ではないんですよね、
お二人から語られる「珍しい本」のエピソードは、わかりやすく、
子ども達が夏休みに1話ずつ楽しむのも良いかもしれません。
とは言っても一気読みしちゃいますけどね、多分、
コメントを残す