『せかいでさいしょに ズボンをはいた女の子』(光村教育図書)2021年1月
キース・ネグレー:作 石井睦美:訳
「~だから」という言葉は、便利なことで、
相手に対してこちらの価値観を押しつけるには特に便利、
この絵本は、女の子、男の子を服装で分けることをしていた時代、
この絵本の主人公となった、メアリー・エドワーズ・ウォーカーさんは、
ズボンをはいて、日々を過ごし、後には医師として活躍した女性です。
絵本の最後には、彼女に関する紹介があり、
その中には、ズボンをはいていることについてとがめられた彼女の言葉、
「わたしは男性の服を着ているのではありません。わたしはわたしの服をきているのです。」
との記述があります。
彼女自身は、そのポリシーを貫き、南北戦争に従軍、名誉勲章を受章しています。
しかしながら、1917年名誉勲章の受章基準を直接戦闘に参加したものに限定すべきだという議論が起き、
一度は、勲章を剥奪されています。
その後、1977年に再度、基準の見直しが行われ、彼女の名誉勲章は回復されています。
社会の都合によって、価値観が変化する中、自らの価値観を貫くことが、
時に社会も変える力に繋がっていくことを彼女の行動から学ぶことで、
自らの価値観はどういうものなのか、守るべきものは何なのか、
考える時間になることでしょう。
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