くろいの


『くろいの』(偕成社) 2018年10月
田中清代 :作

表紙にある壁に座っている謎の生物(?)
「くろいの」と女の子の物語、
一見すると、「くろいの」は、
妖怪のようでもあり、
若干、怖い気もしますが、

中身を読んでみると、
どうやら「くろいの」は女の子の友達のようです。
子どもの頃に、一人で遊ぶ時間が多かったりすると、
イマジナリーフレンドを生成するケースがあるようですが、

「くろいの」もそういったものなのでしょうか?
徹底的に女の子の傍らに立ち、
彼女を守る存在である「くろいの」
「くろいの」が現れなくなるのは、
お父さんと出会う直前、
絵と言葉の間に、この女の子の周囲には、
どんなことがおきているのだろうかと、
想像させる余韻が残されています。

子ども達と日々同じものを見て、
生活していると思っている大人達の発想が、
実は違っているかもしれない、
そんなことを考えさせられます。

何が正解かでは無く、
この絵本の中からどんなことが読み取れるか、
大人は、そういったところを楽しむのかなと思います。
子ども達は、自らの体験と女の子とを重ね合わせて、
自由に絵本の中を楽しめるのでは無いでしょうか。


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