
レポートするのがちょっと遅くなってしまったのですが、
11月30日に、大阪の読売新聞にあります、ギャラリーよみうりで開催された、
絵本の日の集いに参加してきました。
第一部は、絵本専門士養成講座の講師でもあります、村中李枝先生の講演でした。
講演の途中で、絵本の読み手として参加しましたが、
あまり僕が読む絵本には、あまり登場しないキャラクターだったので、
僕の絵本を読んでいる姿を知っている皆さんからは、笑いがおきていました。
村中先生のお話の中で印象的だったのは、
絵本のよみあいを重ねていく中で、読み手、聞き手の絵本体験は、
個々人のものであり、同じ時間を共有していたとしても、
個人の中に残るものは異なるのだということに関するお話でした。
そして、個人の絵本体験は、絵本を手に取った人それぞれに大切な物であり、
第三者によって、評価されるものではないというお話は、
絵本の読み手として活動している僕にとっては、
素直に受け止めることの出来るお話でした。
絵本の世界というのは何かと第三者(大人)が評価をしたがるもので、
(絵本の世界には限らないか?)
なぜ、もっと素直に絵本との時間を楽しむことが出来ないのだろうかと、
考えていたところでしたので、目からうろこの体験でありました。
第二部は、第1期から第4期までの絵本専門士4名による活動報告だったのですが、
こちらについても、編集者、書店、保育士、絵本専門店と、立場の異なる4名が、
れぞれの立場から、どのように絵本を社会に浸透させていくのかという共通のテーマが語られ、
具体的な取り組みや課題が共有されました。これらの報告は、
絵本専門士の活動のこれからを考えるうえで大変参考となり、
参加者に新たな視点や可能性を示すものとなりました。
「絵本の日の集い」は、絵本専門士に限らず、絵本に携わる多くの大人達が、
考えを共有し合う場として大きな意味があったのではないでしょうか。
参加者一人ひとりが、自分の絵本体験を尊重しながら、
他者の体験にも耳を傾けることで、絵本の世界がさらに広がっていくといいなぁと・・・
今回のイベントで、本を読むことの価値を改めて問い直す機会となりました。
絵本体験は誰にも奪われず、誰にも評価されない、かけがえのないものです。
そのことを胸に、これからも絵本を通じて人と人がつながり合う場を大切にしていきたいと思います。


コメントを残す