『うちゅうじんはいない！？』（フレーベル館）2019年
ジョン・エイジー：作・絵　久保陽子：訳

子どもと絵本を読む活動を続けて、沢山の絵本を読んできましたが、
子ども達の反応を引き出すように作られた絵本って結構ありますよね、

この絵本もまさにそれで、
おはなし会の場が盛り上がってきたところで読むと、
子ども達から「うしろっ、うしろー！！！」
と主人公に呼びかける声が聞こえて来るので、

読んでいる側のテンションもあがってしまいます。

宇宙人を探して、地球から遙か離れた星にやってきた主人公、
一向に見つからない宇宙人にがっかり、
しかしその後ろには、追い求めてきた宇宙人の姿・・・

絵本の世界で起きる出来事の真実を知るのは読者だけ、
主人公の、言葉が読者に語りかけるように構成されている、メタ構造が
この絵本と子ども達との距離感を縮める大きな役割を担っています。

ストーリー構成と文章の巧みさとで子ども達を引きつける、そんな絵本になっています。